とむとむのどーでも良い日々

日々の出来事をそこはかとなく書き綴る日記です

ケムリクサ

なんか今日は寒いな…。

さて、無事終了したのでケムリクサについて書いてみようかと思います。ネット上では思っていたより反響を呼んだみたいで、最終回直後はドッタンバッタン大騒ぎでした。

ケムリクサはアニメけものフレンズの一期の監督であったたつき監督と、たつき監督が属するアニメ製作のグループirodoriと、そのirodoriを含むアニメ制作会社ヤオヨロズが手がけたオリジナルアニメです。実は元となる作品があり、それがirodoriが作成した自主制作アニメのケムリクサとなります(現在でもニコ動で視聴可能)。自主制作版をプロットとしてリブートしたのがTVアニメ版ケムリクサです。

自分はTV1話視聴→自主制作版フルを視聴→TV2話視聴の順で観ました。なぜそうなったかというと、正直TV1話は良く分からなかったのです。けものフレンズでもそうでしたが、基本的に「説明台詞」が無いのです。登場人物の会話でさらりと説明するので、一見だと理解できない場合が多いのです。なので、自主制作版で少し知識を得ようとしたわけですね。で、その後にTV2話視聴したわけです。

この時点での率直な感想は、「説明が少なすぎて付いてこれる人少ないのではないか」「自主制作版と大きくは変わっていないけどクオリティは段違い」「けものフレンズととても良く似ている」「自主制作版はTV2話までの内容だから、このまま視聴しよう」という感じでした。

で、最終回まで観たわけですが、最初の印象は間違っていないけどミスリードされた感じです。1話時点で「この監督だからしこたま伏線仕込んでいるだろう」と思ったのですが、何が伏線なのか、拾い切れませんでした。まぁ、これが正しい意味での伏線なんですけど。なので、「やべえ、自主制作版なぞっているだけにしか見えない」と騙されました。そして、わかばがムシ扱いされて姉妹がヒトだといっていることについて、「こんなあからさまに『逆』とわかるのは、『かばんがヒトである』のと同じで、分かりやすい点も作ってあるのだな」とミスリードされました。引っかかってはいたのですが、あの描写で姉妹が地球のヒトが元になっているとは思わないじゃないですか(笑)。自主制作版だと宇宙人ということになっていたし。わかばも少し普通じゃないところがありますが(これも伏線)、アニメのお約束みたいな感じで流してしまいました。例えば、普通の人なら致命傷と思われるようなケガしても、痛がっている割に平気そうだったり、食事も水もほとんど摂らないなどなど。あれを伏線だと思う人は少ないでしょう。会話にさらっと出てくる未登場のキャラの話などは、事前に勉強(笑)していたので「ふふん、知ってるもんね」と思っていたのに、まさか死んだはずのキャラが登場するとは。ネット上では「死人が出た」という違う意味に捉えられる言葉が流行って、たつき監督もtwitterで反応してたのは笑いました。

んなわけで、5話からははまりこんで観てました。確かこの辺りでtwitterトレンド上位になって盛り上がってた気がします。で、例の11話で大騒ぎです。怒涛の伏線回収と、けものフレンズ11話より明らかにやばそうな引き。あのたつき監督なら絶対に視聴者を裏切らないと思いつつも、でも裏をかく人だから納得できるバッドエンドも覚悟しないとと思いました。無事にハッピーエンドになりましたが、なんだろう、「絶対にこうなるはずだけど、本当にそうだろうか」と思わせるのが上手い人です、たつき監督。そして、自主制作版とさほど違いのないTV1話2話なのに、自主制作版を知っている人こそミスリードされる再構成。見事としか言えません。

OPEDともに演出が素晴らしいし、コラボCMにも「ケムリクサってこんな使い方できるのか」とCMのみと思わせる使い方を提示して、それを実際に作中でも行うとか。

すべてが計算されているようにしか見えません。しかしそれを計算できること自体がすごいのです。「視聴者がどう感じてどう考えるか」を理解していないと出来ないはず。その上で「視聴者が望んでいるもの」を提示するという、まさにエンターテイナー。しかもすべての設定を明らかにせずに視聴者に考察想像妄想させる余地を(おそらくわざと)残しています。素晴らしい作品でした。

しかし、すべてが諸手を挙げて素晴らしいとは言えません。分かりやすいのが最終話。戦闘シーンで顕著なのですが、台詞と絵が合っていない箇所が多数。あれはかなり気になってしまい、視聴に没入できなかったです。おそらく時間が足りなかったのでしょう。これについては、おそらく円盤で直されると思いますけどね。また、1話で視聴者を惹きつけるための工夫が足りないと思います。作風を理解していない人だと、1話切りしても仕方が無いかと。

「りりとワカバの救済がない」と言っている人もいますが、なんかありそうなんですよねぇ。思わせぶりな死人組姉妹のセリフとEDの一瞬シーン。どんだけ仕込んでいるだ…。あのシーンは一回目は見逃しました。

読後感?視聴後感?がとても良い作品でした。見た目や設定はまったく異なりますが、アニメけものフレンズ1期と同じものを感じます。キャラの描写が上手いんですよね。セリフで説明するのではなく、態度や表情や会話の仕方で心情を表しているので、「このキャラはこんな風に考えるだろう」「このキャラはこういうときこういう風に行動するだろう」と自然に視聴者に印象付けています。説明台詞が無いのと同じで、この辺りは現実世界と同じ。それをそのまま表現するのは難しいことです。これが監督の手腕なのでしょう。

ケムリクサを観たあと、傾福さん観ると、「あっ」と思うこと請け合いです。それと、「似た作風しかできない」と思っている人たちもいるようですが、昔の自主制作版アニメだと全然違う作品もあります。個人的には「眼鏡」が好きです。

「よりもい」もそうでしたが、面白いオリジナルアニメは本当に良いですね。誰も知らない、ネタバレがない状態で集中して視聴できるというのは幸せです。なんせ、りく登場シーンで監督自身がリアルタイムで驚いていましたからね(笑)。まぁ、12話に関してはフライング配信があったため、実は少しネタバレ食らってしまったのですが。アンチ活動してる連中が、そこかしこにネタバレ貼り付けたもんで、目に入ってしまったのです。まぁ、視聴したあと、確かにネタバレではあるけど、確かに知りたくない情報だったけど、そんなことは些細なことであると感じましたけどね。

今なら確実に言えます。「アニメけものフレンズの大ヒットは、ヤオヨロズの功績である」と。そう確信させてくれた作品でした。いやぁ、良いもの見られて嬉しいです。 

Episode.1
 

  

  

傾福さん [DVD]

傾福さん [DVD]

 

 

www.nicovideo.jp

www.nicovideo.jp

スポンサーリンク